エアコンメーカーの国内シェアは上位5社で8割です

5つのメーカーでエアコンのシェア80%を占めています。

エアコンのメーカーは何社あるかわかりますか?
日本国内のメーカーは10社です。あと、窓用エアコンだけを生産しているメーカーが数社あります。

この記事は、エアコンメーカーのシェアについて、考察していきます。

国内のエアコンシェア80%を占める5つのメーカー

2108年のシェアは次の通りです。シェア比率はざっと考察してみます。

  • パナソニック:22%
  • ダイキン:18%
  • 三菱電機:16%
  • 日立:14%
  • 富士通ゼネラル:10%

正確性は保証できません。ですが、関係者へのインタビュー、店頭の販売状況などの情報を総合的に判断しました。

シェア比率の数字を鵜呑みにしてはダメです。

グレードで分類していないルームエアコン台数のシェア比率です。グレード別にすると、順位が変動します。5つのメーカーの中で富士通ゼネラルのシェアが10%です。ところが、上位グレードのシェア比率が高いはずです。

エアコンは「グレード」があるので、数字を読み解くと各社の販売戦略がわかります。
失敗しないで買うためにエアコンのグレードを徹底解説

エアコンの販売戦略は陣取り合戦です。2019年の陣取り合戦がどのように行われるか「考察」してみます。

パナソニックのエアコン販売戦略【2019年】

2018年にパナソニックがシェアを落としました。シェアを落とした理由は「欠品」です。

2018年の7月には2つの猛暑の波がありました。冷えないエアコン、壊れるエアコン増えます。ローコストモデルエアコンの販売台数が爆増します。

ローコストモデルとはシンプルな機能で低価格が追求されたエアコンのことです。

猛暑で販売台数が爆増のタイミングで、ローコストモデルが枯渇して、売ることができませんでした。

パナソニックエアコンの欠品によって、コロナ・アイリスオーヤマが増えた

ローコストモデルに強いのはコロナとアイリスオーヤマ。

シェア80%のグループのメーカーと比べると、著しく販売力が劣るため、価格を下げても在庫過剰となることがあります。結果、目玉商品の激安エアコンとして取り扱われます。

80%の残りメーカーは、ローコストモデルが過剰に市場に流れないように生産管理しています。パナソニックが欠品すると瞬殺で在庫が消えます。

すると、コロナ・アイリスオーヤマは在庫があることがプラスでした。そこそこの販売価格を維持しながら、販売台数を伸ばしました。

パナソニックのブランド価値はシェアナンバーワンです。

パナソニックは広告戦略が上手です。広告戦略の力が販売力を強化しています。ですが、販売力を維持するために必要なことは「シェア」です。

シェアナンバーワンだから広告戦略が機能します。広告戦略による販売力を維持するために、シェア80%のメーカーの中でもローコストモデルの取り扱いを大切にしています。

広告戦略が機能するからこそ、中級モデル・高級モデル・フラグシップモデルのエアコンが売れるのです。

広告戦略の機能が弱ったらどうなるでしょうか?

ローコストモデルの領域には、コロナ・アイリスオーヤマが食い込みます。ダイキン・三菱電機・日立・富士通ゼネラルが、中級モデル・高級モデル・フラグシップモデルの領域に襲いかかります。

パナソニックにとってシェアを落とすことは、四方八方から攻め込まれる隙を許してしまいます。

という状況を踏まえると、どのような販売戦略を2019年に考えるでしょうか?

2019年はシェアの回復だろう

コロナ・アイリスオーヤマの参入を防ぎます。コロナ・アイリスオーヤマが追従できないレベルまでローコストモデルの価格を引き下げます。

家電量販店・ホームセンターでは、現金値引きだけでなくポイント還元を含めて価格訴求を下支えします。住宅設備用エアコンのルートでローコストモデルを流します。

住宅設備の業者がネットで販売をするので、市場価格のローコストモデルの値段が下がります。

パナソニックと家電量販店のヤマダ電機はベタベタの関係です。ヤマダ電機の客層に合わせて、中級モデルに価格競争力を加えます。

可処分所得が高いエリアでは、高級モデルとフラグシップモデルの販売を強化します。このゾーンを買うユーザーは、他商品もパナソニックを買う傾向があります。このゾーンのモデルに高額のボーナスポイントを与える施策が行われるでしょう。

抜け目ながない三菱電機と日立


パナソニックをベンチマークしています。ダイキンと富士通ゼネラルの動き牽制しながらラインナップを展開します。三菱電機と日立の販売戦略を考察します。

三菱電機はエアコンを後出しで発売します

パナソニックのラインナップから、盲点と改良点を探し出します。パナソニックの同等クラスのカタログスペックを超えます。

カタログスペックの数字を軽々しく修正はいいのだろうかと思いますよね。カタログスペックは、計測の基準でエアコンを運転したときの値です。

基準の結果がよくなるように制御プログラムの修正でわりと簡単に調整ができます。ですが、その数値を実験・試験するので手間がかかります。可能な限り動かさないようにします。

ですが、フラグシップモデル・高級モデルは、カタログスペックが高い方を選択する消費者が多いのです。パナソニックの数値を上回るだけで武器になります。

ラインナップの隙間を埋めます

パナソニックが寒冷地エアコンのジャンルを確立しました。そのジャンルの中で、寒冷地エアコンの中級グレードを発売して、シェアを伸ばしました。

寒冷地エアコンは暖房能力が高いフラグシップモデル・高級モデルをベースです。そこに、凍結防止用ヒーターをつけて、カタログ状の省エネルギー性能が下がりますが、暖房能力を強くします。

なので、寒冷地エアコンは上位グレードなのです。ですが、三菱電機は上位グレードと中級モデルの寒冷地エアコンをリリースしました。上手ですね。

ラインナップには過年度モデルを混ぜ込む

2019年モデルのラインナップと同列に2018年モデルを混ぜ込みます。デザイン性にこだわったエアコンを1年でモデルチェンジせずに使い続けます。結果、バリエーションが豊かに見えるのです。

日立はパナソニックと同じように上手に広告宣伝します。

日立は「ざ・白物家電メーカー」でした。イメージは垢抜けません。

白物家電のブランドイメージにジャニーズアイドルを起用しました。垢抜けないイメージが払拭されて、女性の支持を勝ち取りました。

大成功です。

日立はイメージに加えて、男性心をくすぐる技術力の告知にも力を入れました。例えば、新技術(熱交換器の掃除機能・センサー機能)を投入します。男性の読者が多いIT系の媒体、日経関連で、日立の技術者が開発秘話を解説します。

イメージと技術説明を組み合わせた広告戦略です。男性と女性の両方に向けて、きっちり訴求しています。

日立は価格の設定が超絶に上手です

日立のエアコンは、競合に合わせて価格の変動幅が大きく、攻め込むことができています。

日立はグループ会社のネットワークが強力です。日立グループの商社に商品在庫を動かします。利益率が異なる商品を織り交ぜて、価格の再定義が行えます。

さらに、グループ会社の物流倉庫をフル活用することで、在庫の管理ができる幅が広いのです。

ダイキンと富士通ゼネラルは石橋を叩いてシェアを拡大します

空調機専門メーカーです。空調とは何か?を本質的に追求しています。

空調のポイントは「気流制御」です。ざっくりですが、気流制御することで快適な室内空間をつくろうということが、開発の根底にあるのです。

上位モデルでは、パナソニック・三菱電機・日立はセンサーで風の送り先をコントロールします。ダイキンと富士通ゼネラルは気流、つまり空気の流れを制御することを追求しています。

ダイキンの広告はダサいです。

ダイキンの技術力は高いです。ですが、広告とブランディングは下手です。言葉を選ばずにいうと、ダサいです。

ダイキンの敵は同じ関西のパナソニックです。シェアナンバーワンの奪還を目指します。イメージの広告戦略がどうしても必要です。

何をしたというと、パナソニックの広告戦略を真似たのです。これもはっきり言いますが、パクリです。

本質的なところでは真似をしています。しかし、コンテンツのデザインとキャッチコピーの質が低いので、真似ているようには見えないのです。

ダイキンの広告戦略がダサすぎると書いたので、気分を悪くする方がいます。ですが、技術力を大切に、石橋を叩いて渡るような丁寧な製品を発売する姿勢が美しいです。そして、自社製品の価格という価値も大切にしています。

こんな出来事もあります。
ヤマダ電機にダイキンエアコンがない理由

ダイキンのショールーム

ダイキンはショールームを展開しています。法人がターゲットに含まれるので、「ソリューションプラザ」としています。

名前はダイキンソリューションプラザフーハです。

新築物件・リフォーム住宅、そして業務用空調の相談に対面で、しかもメーカーが直々に対応します。

さらには、子ども向けに教育活動にも力を入れています。

  • エアコン分解教室
  • エアコンの仕組み

大人も楽しむことができますし、ダイキンの社員(新人研修の一環?)が、子ども向けに熱交換・熱伝導率などの物理法則を噛み砕いて説明します。

真摯に説明する姿勢には親近感と信頼性を感じます。

有名人を起用して、ブランドのイメージを築くことも方法の1つです。対面での説明によって、体験することで、エアコンの技術の良さを伝えていくことも違うアプローチだと思いました。

富士通ゼネラルの販売戦略は無駄を省いて効率性を追求しています

富士通ゼネラルがシェア比率を上げています。

エアコン全体では10%強です。が、家電量販店の市場で、フラグシップモデル・高級モデルの販売台数はトップクラスです。

家電量販店の店頭販売は、消費者に説明ができるチャンスと捉えました。事務作業の補助として人員を送り込む状況に、研修と教育を十分にしてスタッフを販売員として送り込みました。スタッフが丁寧に接客して技術の良さを説明して、販売実績が増えました。
富士通ゼネラルの家電量販店向けエアコンの販売戦略の考察【2019年モデル】

富士通ゼネラルは広告戦略に力を入れています

日立の成功を認めたでしょう。
そのタイミングで、メディアを使った広告戦略に力が入りました。そして、年々、上手になっています。

広告戦略は2つの側面から、女性向けにイメージの構築と技術力を伝えています。WEB媒体・youtube・などのチャネルを積極的に活用しています。

ですが、まとまりに不足しているところがあります。ところが、改善を重ねています。ノウハウが貯まっていくと、良さが伝わるようになると思います。

最後に

2019年のエアコン商戦の状況を分析していきます。