エアコンの取り替え工事の対応を改善したい賃貸住宅のオーナーに対して、エアコンの取り替え工事の流れと方法をまとめています。賃貸住宅の入居者は不動産会社にエアコン交換を依頼後の流れを知ることで、エアコンを交換してもらえる依頼方法がわかります。
入居者からエアコンの交換してほしいという要望。不動産管理会社に交換の可否の判断と賃貸住宅のエアコンの交換を丸投げすることが多くの賃貸住宅のオーナーの対応ですね。
スムーズな対応の不動産会社管理会社に満足していても、担当者の力量に左右されることもしばしば。ここで、エアコンの取り替え工事を依頼する方法をまとめてみますね。
- 不動産管理会社
- 工務店(原状回復工事含む)
- 家電量販店
- ネットのエアコン専売業者
- 電気設備業者
エアコンの取り替え工事の依頼先は5つあります。
真っ先に取り替え工事の価格が安いところが気になりますよね。取引に入る業者が減ると価格が安くなるのが原則です。エアコンの価格が不透明な原因でもあるのですが、原則と異なることが多々あります。
1つ1つ解説していきます。
エアコンは本体と工事をセットにした商品
どこに依頼しても、電気設備業者(エアコン専門業者)がエアコンの取り替え工事します。エアコンの交換には資格はいらないですが、有資格の電気工事を伴うことがあります。
さらに、仕事の量に季節変動だったり壊れてから交換という習慣の影響を受けるので事業を安定が難しく、新規参入には壁が少しあります。
エアコンは本体と工事をセットにした商品なので工事を依頼には、材工
と工のみ
があります。
材工とは「ざいこう」と読んで材料と工事をセットにすることを意味します。
工のみとは工事だけを担い手間請け (てまうけ)
と言います。
エアコンの取り替え工事を不動産管理会へ依頼することのまとめ
賃貸住宅をハウスメーカーで建てた後、不動産の管理は子会社の不動産管理会社が担当します。このケースも含めて、不動産管理会社として話しを進めていきますね。
不動産管理会社の役割は次の通りです。
- 入居者と賃貸住宅のオーナーとの取り次ぎ窓口
- 工事の手配
不動産管理が交換工事することは希で、電気設備業者に依頼します。不動産管理の規模が大きくなると子会社だったり、地主が不動産管理を兼ねている場合は親族の会社に依頼することもあります。交換の手配も含めてリフォーム工事店を経由して電気設備業者を手配することも。
不動産管理会社は入居者と対応しているので、対応コストをエアコンの取り替え工事の売上から捻出
不動産オーナーは物件の管理費を払っていても市場相場価格の約30パーセントが手数料として上乗せされます。不動産管理に依頼すると、電気設備業者の見積書を提示されるケースもあります。
不動産管理会社は電気設備業者に紹介料というバック
を請求しているのです。
入居者の考えとギャップが生じる
入居者はエアコンの取り替え工事は、家電量販店かネット通販で調べますよね。不動産オーナーはその価格に約30パーセントの手数料を上乗せして払っているものなのです。
もちろん、入居者の家賃から捻出されているのですが。こんな取引の構造になっているので、費用の問題からすんなりと交換してもらえないことが発生します。
住宅設備用エアコンによる特価もある
不動産管理会社は工務店・電気設備業者に材工
ではなく手間請け
で依頼するケースがあります。不動産管理会社がエアコンをまとめて仕入れて、エアコン本体の仕入価格を抑えることで、価格競争力を高めます。
不動産管理会社が月間で数十台から数百台を仕入れて、価格競争力を強くします。このようなケースに、市場相場との連動を解除して、個別のニーズに合わせて住宅設備用エアコンが投下されます。
» 参考:住宅設備用エアコンとは量販店のエアコンと違いますか?【保存版】
家電量販店で賃貸住宅のエアコンを買う場合【業界裏話あり】
まさに大家さん
。不動産オーナー自らが家電量販店に足を運んで購入します。ですが、家電量販店は賃貸住宅へのエアコンの取り替え工事はトラブルが増えるため消極的です。
購入者が大家さんですが、取り付け先は入居者。個人情報の管理上、大家さんと入居者が別人となるため、設置日の調整だったり、現地の工事中に確認が生じた場合など、トラブルを招くからです。
賃貸住宅へのエアコンの取り替え工事には、大家さんの立ち会いを条件にするケースもあります。
家電量販店は一般消費者向けが得意分野ですね。ヤマダ電機は大量仕入・大量販売していましたが、ネット通販の増加で在庫が余るようになります。
店頭在庫をコスモスベリーズの販売ネットワークに流れました。価格の決裁権が各店に与えられていたので、目標の売上が足りないときにはびっくり価格でした。市場相場を下回る商品は、ネット通販で激安販売されることになり、自らの首を絞めることになったのです。
» 参考:ヤマダ電機にはダイキンのエアコンがない理由【年末挨拶というリベート増額交渉】
ネットのエアコン専売業者と電気設備業者は生い立ちがポイント
賃貸住宅でエアコンの取り替え工事するときは不動産管理会社が主たる選択肢でした。裏モデルの住宅設備用エアコンをまとめて仕入れるには規模が必要だったからです。ですが、2017年ごろからネット通販で住宅設備用エアコンを買うことができるようになりました。
次の2通りがあります。
電気設備業者が材(エアコン)を仕入れて工(取り付け)する。
賃貸住宅へのエアコンは不動産管理を経由しなければ仕事がもらえなかった電気設備業者。ですが、電気設備業者が自らウエブサイトを立ち上げて、材工のサービスを立ち上げることで、不動産オーナーを見つけることができるようになりました。
不動産管理会社を経由せず、不動産オーナーからの仕事が入るのです。当然ですが、不動産管理会社のマージンが無くなるので、不動産オーナーの費用を抑えることができます。
メーカーにとって材工で販売する業者は貴重な販路。その先の購入者ともつながっているので、価格・サービスでも優遇して育てようとします。
メーカーにもエアコンの販売台数を増やすためには取り付け工事の段取りを整えることが求められます。ビジネスモデルが上手なのはダイキン。ぴちょんくんのお店として取り付け工事を依頼することに加えて、電気設備業者にエアコンの修理業務をアウトソーシングして工事・修理のネットワークを築いています。
» 参考:エアコンに使う渡り配線の直径はどっち?【1.6mm or 2.0mm】
商社・問屋の材販売に工事を加える。
材となるエアコンを販売していた商社・問屋が中抜きでは儲からなくなりました。すると、取付工事の工をセットにして販売しようと考えるのが自然ですね。
そのため、材工のサービスでサイトを立ち上げてエンドユーザーに販売しています。これまでの販路に電気設備業者と提携して、さらには自ら自社雇用して取り付けするケースも増えています。
ここで家電量販店のエアコン販売を思い出すと材工のセット販売ですよね。賃貸住宅へのエアコンは材と工が分離していましたが、エアコンを材工請けできる業者が増えています。
不動産管理会社を飛ばして賃貸住宅へのエアコンを交換できるようになってきているのです。
2018年にはエアコンメーカーは住宅設備用エアコンの存在を表に出しました。電気設備業者が材工請けをセットにして、法人間取引の仕事がが流れることを見越しています。成功するか失敗するか2019年が過渡期ですね。
入居者からのエアコン交換は増える
日本列島の猛暑が厳しくなることに比例して、賃貸住宅のエアコンの交換が増えます。エアコンの故障により交換をしますが、エアコンが正常動作しているけど交換対応する事例があります。
エアコンの能力サイズが小さいこと、古い年式のエアコンのため、設定温度まで室内温度が下がりません。入居者は室内温度が下がらないストレスが溜まり、高額な電気代が発生のダブルパンチ。能力サイズが合っていないエアコンは窓を開けて運転しているようなものです。
» 参考:期間消費電力量とは何か。業界裏話を交えて電気代の計算を教えます。
こんな状況になると、壊れていなくても交換を依頼されるケースが増えるので、スムーズに対応できるような流れを準備しておくとよいですね。