パナソニック エアコン エオリアのフラグシップモデルには、WXシリーズとXシリーズの2種類があるけど、その違いがわからない。Xシリーズに加えてWXシリーズを発売したパナソニックの狙いはなんだろうか。
ということで、2019年モデルのエオリア WXシリーズ
とエオリア Xシリーズ
の違いを説明します。
記事の内容
- わかりやすい違いは【室内機の横幅】が違う
- カタログスペックには表れない快適性の追求。それは【動作音】
- ベストパフォーマンスがでる商品とサイズ
- WXとXシリーズでカタログスペックで差をつけるために
わかりやすい違いは【室内機の横幅】が違う
室内機の横幅の違いから掘り下げます。
- 日本の尺モジュールを超えた横幅899mmのWXシリーズ
- WXシリーズの【 W 】はWideの頭文字
- 全サイズを網羅するXシリーズ。WXシリーズは大きいサイズに絞って6機種
日本の尺モジュールを超えた横幅899mmのWXシリーズ
室内機の高さ(H)と奥行き(D)は同じですが、室内機の横幅(W)がエオリア Xシリーズ
の799mmより10センチ拡大されて、エオリア WXシリーズ
は899mmに達しています。日本の住宅は910mmの尺モジュールが多いから横幅の左右に余裕もって約80センチ以内の常識を超えたのです。
WXシリーズは全サイズ共通で横幅(W)が899mm
Wシリーズも全サイズ共通で横幅(W)が799mm
WXシリーズの【 W 】はWideの頭文字
エオリア WXシリーズの品番は、エオリア Xシリーズ
の横幅を拡大したので、Wideの【 W 】を加えて、エオリア WXシリーズ
と決めたと思います。品番が増えると管理コストも増えるし、フラグシップモデルは1つという広告宣伝ができないデメリット。それらデメリットよりもリノベーションなどで部屋の間仕切りを取っ払った超広い部屋に設置するニーズが増えていますね。
全サイズを網羅するXシリーズ。WXシリーズは大きいサイズに絞って6機種
大雑把な分類になりますが、エオリア WXシリーズ
とエオリア Xシリーズ
で、開発の主軸としているサイズはこれらだと思います。
・広いリビング:200Vの14畳(4.0kw)以上のXシリーズ
・超広いリビング:WXシリーズ
» 参考:【2019年モデル】パナソニック エアコン エオリアの商品一覧【随時更新】
14畳(4.0kw)から29畳(9.0kw)までのサイズではエオリア WXシリーズ
とエオリア Xシリーズ
が併売されています。エオリア WXシリーズ
は23畳(7.1kw)、エオリア Xシリーズ(200V)
は14畳(4.0kw)のサイズに合わせて、制御プログラムと冷媒封入量を調整しています。
カタログスペックには表れない快適性の追求。それは【動作音】
エアコンとは室温の上下する道具であり、究極的にはどのメーカーでも結果は同じ。でも、買うときはイメージと口コミによってメーカーと機種選定が左右されます。しかも、買い換えのサイクルは10年なので、イメージを訴求して買ってもらって、使い勝手の良さを知ってもらいたいのです。
【動作音】というキーワードから掘り下げます。
- 省エネ性能はどんぐりの背比べで差別化はできるレベルじゃない
- 釈迦に説法しますが、室温を上げたり下げたりするには気流が必要
- ファンの回転数を下げても同じ空気の量を保つ方法は室内機のサイズアップ
省エネ性能はどんぐりの背比べで差別化はできるレベルじゃない
省エネ性能のブームは2010年ごろからスタート。フラグシップモデルでのエアコンで、消費電力を下げるて、ずば抜けて宣伝できるほどの数値を出すことは、技術的に困難な領域に入っています。販売説明に「省エネ性能が優れている」が使えることは、わかりやすかったです。名残として、売れ筋のサイズに制御プログラムのチューニングして省エネ性能を上げることぐらいしかできないです。
釈迦に説法しますが、室温を上げたり下げたりするには気流が必要
室内の空気が循環することで室温を上げたり下げたりしています。広い部屋になればなるほど空気を吸い込んで吐き出す量が増えます。自動車のエンジンに置き換えるとイメージしやすいです。ざっくりですが、3000CCのエンジンが1回転で得られる仕事は、1500CCのエンジンでは2回転が必要です。回転数が低ければ動作音を下げることができます。
・3000CCのエンジン:低回転からパワーが出ます。
ファンの回転数を下げても同じ空気の量を保つ方法は室内機のサイズアップ
エアコンは設定温度に到達するまでは、省電力を加味しながらも全開パワー運転。ファンの回転数が上がると、室内機からは60から70デシベルの動作音が発生します。どのくらいの音かというと、60から70デシベルは【騒々しい事務 | 所騒々しい街頭】に匹敵します。
さらに、広い部屋には室温が上下するできことが多々発生します。そのため、空気の量が多いので急激な温度変化を防ぐため、常に空気を循環させます。エオリア Xシリーズ
よりも室内機の横幅が10センチも広いエオリア WXシリーズ
は、ファンの回転数を下げることができるのです。
ベストパフォーマンスがでる商品とサイズ
エアコン情報局の管理人がカタログスペックの仕様書とカタログから分析しました。
- エオリア WXシリーズのベストパフォーマンスサイズ
- エオリア Xシリーズ(200V)のベストパフォーマンスサイズ
- エオリア Xシリーズ(100V)のベストパフォーマンスサイズ
エオリア WXシリーズのベストパフォーマンスサイズ
23畳(7.1kw)のCS-WX719C2
です。エオリア WXシリーズ
は冷媒封入量が1.64kgで統一されているため、制御プログラムのみを調整していますね。本体のスペックが大きぎて、14畳(4.0kw)のCS-WX409C2
なんか、もったいないくらい制御プログラムで抑え込まれていますね。開発陣は18畳(5.6kw)CS-WX569C2
からにしたいが、エオリア Xシリーズ
との整合性を保ちたいマーケティングと営業とで調整があったんだろうと目に浮かびます。
エオリア Xシリーズ(200V)のベストパフォーマンスサイズ
14畳(4.0kw)のCS-X409C2 | CS-X409CX2
です。エオリア Xシリーズ
は、サイズごとに冷媒封入量と制御プログラムの最適化を施しているので、しっかりとコスト管理されていますね。余談にはなりますが、冷媒封入量を増やすと消費電力が増えるので、スペック以上の封入は省エネ性能を下げるし、冷媒のコストも高いですからね。
エオリア Xシリーズ(100V)のベストパフォーマンスサイズ
10畳用(2.8kw)のCS-X289C | CS-X289CX
、12畳用(3.6kw)のCS-X369C | CS-X369CX
、14畳(4.0kw)のCS-X409C | CS-X409CX
3機種です。物理的な性能の差はないでしょうから、カタログスペックの性能に合わせるために制御プログラムを調整ですね。最適化はされていませんが、能力的に大差がないです。オーバースペックですが、絶対にフラグシップモデルがよいうというニーズを満たすために、6畳(2.2kw)のCS-X229C | CS-X229CX
と8畳(2.5kw)のCS-X259C | CS-X259CX
を展開。
WXとXシリーズでカタログスペックで差をつけるために
ピンと気がつくと思いますが、エオリア WXシリーズ
とエオリア Xシリーズ
ってカタログスペックでの違いがないのです。それは、カタログスペックではわからない動作音という購入後の快適性能の向上を狙っているからです。ですが、これだと販売しにくいので、コストをかけずに差を作ったと思います。
・室外機には耐塩害仕様
塗料を増やすだけなので、コストをかけずに差別化する手法ですね。あとは、ネーミングセンスが素晴らしいです。それは、スクロールコンプレッサー。エオリア WXシリーズ
とエオリア Xシリーズ(200V)
の室外機は共通コンポーネント。エオリア Xシリーズ(100V)
では搭載されてない(そもそもサイズが小さいから必要ない)ですが、2つの違いよりも3つの違いにするところがパナソニックらしいです。