富士通ゼネラルは2019年モデルのエアコンで1.6mmの渡り配線(接続配線)を正式に許可しました。渡り配線が1.6mmだと、三菱電機とダイキンの2社が交換対象のエアコンでした。富士通ゼネラルのエアコンが加わり選択肢の幅が増えました。
富士通ゼネラルの渡り配線1.6mmの条件
接続配線は、工事の際にご用意いただく電源の芯数と線経2.0mmを表します。再利用時は2.0mmを推奨します。最大電流が15A以下の機種で電線の長さが10m以内の場合は、線経1.6mmも使用できます。(XN/GNシリーズについては、2.0mmの信号線をご利用ください。)
このように富士通ゼネラルは説明をしています。まとめると次の通りです。
- 最大電流が15A以下
- 渡り配線の長さが10m以下
- 寒冷地エアコンには使ってはダメ
どのエアコンに使えて、使えないのか・・・わかりにくいと思います。このようなフローで覚えていきます。
寒冷地エアコン・住宅設備用エアコン(Fシリーズ)はダメ
寒冷地エアコンには最大電流が15A以下のモデルがあります。が、1つの機種だけなのでわかりやすく除外したのでしょう。そして、住宅設備用エアコンのFシリーズも対象外です。Fシリーズのエアコンは海外市場向けのエアコン。日本で開発・設計していないので、除外したと思います。
2.2kw(6畳)と2.5kw(8畳)が対応
フラグシップモデルからローコストモデルまで対応しています。先の寒冷地エアコンと住宅設備用エアコンのFシリーズはダメです。フラグシップモデル・高級モデル・中級モデルは、2.8kw以上の最大電流が20A。なので、ダメですね。暖房能力を高めているので、仕方ないですね。
Cシリーズ、住宅設備用エアコン(RH・V・CH・AH)は幅広く対応
電圧が100Vの4.0kwは非対応。ですが、5.6kw(200V)には対応です。そして、住宅設備用エアコンのVシリーズでは、6.3kw(200V)まで対応しています。
富士通ゼネラルが1.6mmの正式対応を認めたのだろうか?(考察)

2019年モデルで、富士通ゼネラルが条件付きで1.6mmの渡り配線の仕様を許可しました。ですが、これまでも、1.6mmの渡り配線が非公式で使われていました。新築物件です。
エアコンの安全性の検証はしているので、施工の安全性を担保することが条件のようです。とはいっても、2.0mmよりも事故の確率が高いので、あえて公式に認めることなく、例外対応としたかったのでしょう。
隠蔽配管エアコンの交換時期
隠蔽配管で取り付けられたエアコン。10年以上が経過して交換需要があります。正式対応を表明しているダイキンと三菱電機にシェアを奪われます。
富士通ゼネラルだけでなく、新築物件では1.6mmの渡り配線の使用を認めていることがあります。技術面の安全性があるので、指を加えてシェアを奪われることはないと思います。正式に表明して、シェアを獲得することは賢明です。
住宅設備用エアコンの販路拡大
業界シェアは5位の富士通ゼネラル。ところが、家電量販店用のエアコンのシェアとなると、事情が異なります。特に、フラグシップモデルの販売比率が高い傾向です。ところが、住宅設備用エアコンの「量」で勝負する市場では、パナソニックと三菱電機が強く、さらに、ダイキンが追従しています。
住宅設備では、建築コストを抑えるために、1.6mmの渡り配線を使います。2.0mmと1.6mmでほとんどサイズが違いません。
安いからと思いますよね?それも理由の1つです。
ですが、1.6mmの渡り配線が柔らかいので、施工がしやすく、スピードが上がります。1.6mmの渡り配線には根強い人気があるのです。住宅設備用エアコンの販路を拡大するならば、対応の表明が不可欠です。
富士通ゼネラルが1.6mmの渡り配線を認めたので、住宅設備用エアコンとしてシェア拡大が見込まれます。さらに、ダイキン・三菱電機の独擅場だった交換市場にも参入できるのです。
まとめ
富士通ゼネラルが1.6mmの渡り配線を認めたことで、シェア拡大の制約が1つ消えました。日本国内ではシェア5位です。住宅設備用エアコンの販売台数が増えることで、シェアの順位が変わる日も近いと思います。
目が離せない業界の動きです。