エアコンの価格比較で失敗しない方法【売り手の販売戦略が丸裸】

エアコンの価格はなんでわかりにくいのだろうか?

エアコンは、本体と工事がセットになって1つの商品です。工事費を含めて総額を表示するとわかりやすいという側面はあります。ですが、デメリットはエアコンの価格を比較しにくいことです。

ということで、エアコンの価格が適正なのか迷わないように、判断するモノササシを組む混むことで解決ができます。

エアコンを買うと10年使いますので、失敗をしないようにしましょう。この記事では次の内容を解説しています。

  • エアコンは各社でシェア獲得の激戦という現実
  • エアコンの値段で迷わないモノサシを使う

エアコンは各社でシェア獲得の激戦という現実

家電量販店の売り場で、小学生の男の子が店員にこんな質問していました。とっても斬新な切り口ですよね。ということで、そもそも共通の室内機を展示する意味ってなんだろうと考えてみました。

エアコンの販売ブースって、室内機が床から天井まで陳列しているけど。カタチとサイズも同じだし、意味があるんですかね?

ワンシーズンで、エアコンの種類は数百種類もある

ルームエアコンのメーカーは国内で7社です。シェアトップ3は、パナソニック、三菱電機、日立とナショナルメーカーが占めており、空調機の専売メーカーのダイキンと富士通ゼネラルが続きます。このあたりが市場シェアの大半を占めているのが現状です。

エアコン商品構成の軸

  • パナソニック -> 三菱電機 -> 日立 -> ダイキン -> 富士通ゼネラル
  • シャープ -> 東芝 -> コロナ -> 三菱重工
  • 長府 -> アイリスオーヤマ

各社は3つの軸でエアコンの商品構成を考えて市場に投下します。数百種類のモデルが乱立する状況の中、量販店の販路の家電量販店エアコンと住宅設備用の業者向け販路の住宅設備用エアコンは、誰でもが買えます。

業界の慣習で販路を分けていますが、家電量販店用の販路と住宅設備用の販路垣根を越えてきています。

  • サイズ:6畳(2.2kw)から29畳(9.0kw)と広範囲
  • グレード:フラグシップモデル、高級モデル、中級モデル、ローコストモデル
  • 販路:家電量販店エアコンと住宅設備用エアコン

エアコンの値段の相場を複雑にする販促方法

ナショナルメーカーをと空調機の専売メーカーの5社は、テレビCMを含めてイメージ広告に予算を投下しています。

シェアが低いメーカーがイメージ広告に打ち勝つには、エアコンの商品価格の値引きで対抗します。そのため、機種と時期とエリアを絞って、ゲリラ的に値引きを仕掛けます。

シェア上位メーカーが指をくわえて黙って容認することはしません。旧型モデル(型落ちモデル)のエアコンが対抗馬として広告の目玉商品に投下さえます。

店舗の販売ブースに足を運んでもらえると、研修教育された販売員が新製品の機能や特徴などメリットを丁寧にセールスして購買に結びつけます。

価格競争を仕掛けたシェアの低いメーカーのエアコンは売れず、在庫処分としてさらなる値引き販売になってしまいます。

エアコンのグレードについては、こちらの記事も参考にどうぞ。

取り付け工事費と処分費も忘れずに

取付工事の技術がない一般消費者はエアコンは本体を買うだけでは使うことができません。必ずエアコンには取付工事が必要になるからです。

エアコン本体の値段と取付工事費の総額を出してみて、エアコンの値段が妥当なのか判断ですね。

さらに、『本体価格と工事費のセット価格』『工事費の値引きキャンペーン』『化粧カバー無料(値引き)のキャンペーン』が、期間限定でされることもあります。

エアコン購入後の満足度の1つには『購入体験』

身も蓋もないですが、室温の上下という状態はどこのエアコンメーカーでも同じなんですよね。エアコンの基本機能は冷房と暖房して快適な部屋の温度にすること。

購入後の満足度って、機能や使い勝手の良さで決まります。例えば、物理的なサイズが小さいこと、掃除が便利になること、空気が綺麗になること、省エネルギーであること、遠隔操作などのスマホ連携など。

だけど、カタログの機能を隅から隅まで使うことよりも、基本機能だけ使うことが多かったりもします。

数多くの中から選んだという購入体験が満足度や口コミを支えています。

有名人を起用したCMでエアコンブランド訴求による認知度を上げることは王道。メーカーの販売員と一緒に開発の裏話、便利な機能など、カタログスペックでは伝わりにくいことを「言葉」と「身振り手振り」で説明して、数百種類のモデルの中から選んでもらったことが所有する満足度を高めます。

販売員の営業力でシェアを伸ばした事例:富士通ゼネラル

10年以上前、安かろう悪かろうのエアコンの代名詞はコロナと富士通(※)。住宅設備用エアコンを取り扱う販売店と町の電気屋さんは未だに言い続けています。

※注釈するのも変ですが、コロナと富士通ゼネラルのエアコンが悪いという根拠はないです。

エアコンのシェアは家電量販店エアコンと住宅設備用エアコンの合計で決まります。POSの集計データ(家電量販店エアコン)だとナショナルメーカーよりもグレードによっては販売台数が多かったりもする富士通ゼネラル。

富士通ゼネラルがシェア拡大のためにの施策が販売員の研修と教育の強化。エアコンのイメージCMをバンバンと流す規模ではないが、シェアを拡大する方法として、フィールドセールスの強化を導入しました。

メーカーから店舗に販売員を派遣することは業界慣習で、販売員の代用として販売コストと捉えられていたので、逆転の発想ですね。

富士通ゼネラルの販売員が、魅力、機能、開発の裏橋、故障の原因になる使い方など、カタログでは伝えられないことを、丁寧に販売していきました。

やがて、購入後の方々の口コミが生じてシェアが上がりました。泥臭い施策を繰り返して地盤を固めてから、テレビCMとイメージタレントの起用などブランディングによってシェアの拡大中。

富士通ゼネラルのエアコンブランド名はノクリア。airconnの綴りを反対から読んだことが語源であり、エアコンの常識をひっくり返すというメッセージが込められているそうです。

エアコンの値段で迷わないモノサシを使う

エアコンを選ぼうとすると、このモデルは省エネ効率が高くて節電になり、空気清浄機が強化していたり、お掃除ロボット。値段がいくらかわからなくなります。そんなときは、Kwの単価で比較するとすっきりします。

kwの単価で比べよう

  • A:5.6Kwで10万円のエアコン => 10万円 ÷ 5.6Kw = 17857円
  • B:4.0kwで20万円のエアコン =>  9万円 ÷ 4.0kw = 22500円

Bの4.0kwのエアコンが9万円でお買い得なように見えますが、kwの単価で比較するとA:5.6kwのエアコンがお買い得になります。

このようにして比べていくと、どのグレードの中で納得ができる値付けをされているのか相場がわかるようになります。

同じグレードのサイズ違いの中で、kw単価の凸凹を見つけよう

同じメーカーの同じグレードで、kwの単価を算出して比較すると横並びになりそうですよね。ですが、あるサイズとあるサイズを境界線にして単価に谷ができます。

エアコンの生産は共通の筐体と冷媒封入量を同じにして効率を上げます。同じ筐体を使って、サイズの違いによる能力差は制御プログラムだけを変更することがあります。

勘が良い人はわかりますね、製造原価はほぼ同じになります。

競争が激しい商品のため、他メーカーの値付けに対抗するために値付けの幅があります。サイズアップのエアコンの値段を他社と横並びにします。

ベースモデルの値段を高めに設定してサイズアップの値段を下げて、サイズアップの機種で他社を出し抜くとか、サイズアップの値段でしっかりと利益を確保して、ベースモデルの値段を攻め込むとか、いろいろな販売戦略があります。

戦略の多様性がエアコン販売の面白いところだと思います。

kwの単価で比較するというモノサシを取り込むことで売り手の販売戦略が見えるようになります。そうすることで、納得した値段でエアコンを買うことができるようにになりますね。

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