ルームエアコンを最優先に取り付けを考えましょう。ルームエアコンの取り付けが可能ならば、窓用エアコンを取り付けるメリットがありません。
窓用エアコンを設置する条件はこの2つだけです。
- ルームエアコンの室外機を置く場所がない
- 壁にスリーブ(穴)を開けられない
窓用エアコンとは室内機と室外機が一体化のエアコンのことです。
自分で設置と取り外しができるので工事代がかからないからお得という理由で、窓用エアコンを取り付けると失敗します。
深掘りしましょう。
ルームエアコンが取り付けできない環境とは?
壁にスリーブ(穴)を開けられない賃貸住宅
住宅の構造が原因もあるでしょう。が、大家さんが原因のことも多いです。
話し合いで解決もできないとは言い切りませんが難しいです。賃貸住宅だからこそ、別の物件に住み替えるのも選択肢です。
住宅の壁に穴を開けることを反対していた大家さんの考えを変えてもらうことは大変です。その前に夏が終わります。
室外機を設置する場所がないことが多くの理由
団地・築年数の古いマンションでは、通路に面した部屋には設置できません。理由は通路に室外機を置けないからです。
一見すると通路に室外機を置くスペースがあります。しかし、消防法での決まりで、通路には一定の幅が求められています。
火災時には避難経路で人命に直結します。避難経路を守る消防法への遵守が求められます。そのため、消防法を違反したときのリスクがあるので、取付工事業者は取り付けをしません。
次のことを考えます。
室外機を通路ではなくベランダに設置できないだろうか?
結論から伝えると、難しいです。
エアコンを使うとドレインと呼ばれる排水が生じます。排水が流れるためには勾配が必要です。ジェットコースター、滑り台、流しそうめんを想像すればわかりますね。
部屋の端から端まで水が流れるスロープのような配管を取り付けることが難しいです。勾配を維持できなかったら水が滞留すれば腐るし、逆流もします。そうすると、室内機から水漏れが発生します。
取り付けができる?
取付ができるでしょ、っというケースも確かにあります。
部屋をスケルトンに戻して、配管の設置を見直すリノベーションです。ルームエアコンを取り付けるために、数百万円を使いますか?という判断となります。
ルームエアコンよりも窓用エアコンが弱い
室内機と室外機が分離できない窓用エアコンは性能面が劣ります。室内機と室外機が一体化している宿命です。
運転モードは冷房のみ
ルームエアコンの運転モードは冷暖房です。
コロナが冷房専用モデルを生産していますが、出荷台数は僅かです。ルームエアコンでは、冷房専用モデルは希ですが、窓用エアコンは冷房専用モデルが標準です。
暖房器具が別途必要です。エアコンの冷房モードと暖房モードの切り替え機能を搭載することは、開発・生産は容易です。コンピューターで切り替えればいいのです。
運転パワーの不足
ルームエアコンと比べると、運転のパワーが弱いです。
エアコンは、室内の空気を吸って、冷やして、吐き出します。空気が循環することで部屋が冷えるのです。温度が高い空気は部屋の上部に貯まり、温度が低い空気は部屋の下部に移動します。
部屋の上部に設置するルームエアコンは冷房運転には最適です。窓用エアコンの設置高さは100から150センチ。吸気・排気の風量を増やして空気を循環させます。ファンを多く回転させます。
だから、運転音が大きくなるのです。
大きな運転音
窓用エアコンは室内機と室外機の一体型です。特に室外機のコンプレッサーが動くと大きな音がでます。それが加わるので大きくなるのです。
音を静かにするアプローチは遮音材料です。
遮音材を増やせば増やすほど静かになるとはいかないです。遮音材が増えると、放熱能力が下がりますし、重量も増えますし、コストも上がります。一定レベルを超えると遮音材を増やしても効果が見込めないのです。
筐体が小さいので、コンプレッサーのサイズも小さいです。動きを多くするのでエネルギーも必要です。省エネを強化することが難しいのです。
ルームエアコンより電気代が高い
窓用エアコンの各メーカーも改善しています。パワーの強化と運転をを下げて、省エネルギーを目指しています。
しかし、ルームエアコンの性能を超えるのは難しいです。構造の違いなので、同じ土俵で比較をしてはいけないと思います。
お掃除に手間がかかる
室内機と室外機の機能が1つになっているのでコンパクトです。だからこそ、フィルター掃除、ドレイン(排水)の掃除に手間が少し大変です。エアコンは1週間に1度のフィルター掃除が理想ですが、宿命と受け入れるしかないのです。
窓用エアコンのメーカーは4社
4社のシェアが急激に増えたり減ったりしません。計画的に年間の台数を生産します。つまり、生産台数が一定ということです。
窓用エアコンの需要が減らず微増
窓用エアコンを設置する住宅が新に増えることはありません。新築物件の仕様に窓用エアコンを組み込むことは異例です。
窓用エアコンは消耗品です。既存ユーザーからの買い換えが発生します。
日本列島の気温が上昇中。
ルームエアコンが取り付けできず、窓用エアコンも未設置の部屋は少なくないです。未設置の部屋に窓用エアコンを取付することが増えています。
しばらくは需要が見込まれます。
窓用エアコンのメーカーは?
日本では4つのメーカーから窓用エアコンを発売しています。
- トヨトミ
- ハイアール
- コロナ
- コイズミ
部分快適なアプローチのエアコン
窓用エアコンで、注目したいモデルがあります。トヨトミのTAD-22JWです。
スポットで風を置くって、冷暖房効果を高めるアプローチです。
窓用エアコンの運転モードは「冷房のみ」です。ですが、暖房機能を加えてきました。床に置くので重量の成約をクリアできます。なので、コンプレッサーのパワーを高めることができるのです。
ルームエアコンと同じレベルと期待してはいけません。暖房が使用可能な温度域は12度から25度です。真冬のときは期待できませんが、ちょっと手元を暖めようというときには十分に使えます。
最大のメリットは、本体を移動して、吹き出し口を自由に動かせることです。快適なスポットをつくることができるエアコンです。
最後に
窓用エアコンの市場はルームエアコンと比べるとかなり小さいです。大手メーカーの参入はないでしょう。過剰な生産もしないので、価格の暴落も防げて、安定の価格で流通しています。
家電量販店のキャンペーンのルームエアコンは、競争が激しいです。取付工事を含めてても、窓用エアコンよりも安く取り付けできることが多いです。
窓用エアコンはルームエアコンが取り付けできないときだけに取り付けるエアコンと考えておきましょう。限られた条件で設置できる窓用エアコンはとても大切です。