ハウジングエアコンとは住宅設備用エアコン?【パナ・ダイキン戦略分析あり】

住宅設備用エアコンが示すエアコンの種類を解説しています。ハウジングエアコン・天井カセットエアコン・天井ビルトインエアコンとは何か理解でき、2018年からエアコンメーカー各社が住宅設備用エアコンを積極的にネットに公開している戦略は何かヒントがあります。

住宅設備用エアコンと呼ばれるエアコンは3つに分類ができます。昨今、住宅設備用エアコンが安いとブームの対象は、家電量販店用エアコンの裏モデルのことですね。一方で、昔からエアコン業界にいる人たちは、ハウジングエアコンを住宅設備用エアコンと理解しています。

  • 家電量販店用エアコンの裏モデル(ルームエアコン)
  • ハウジングエアコン(天井カセット・天井ビルトイン)
  • マルチエアコン

ハウジングエアコン・天井カセットエアコンとは?

お店や事務所のエアコンといえば天井に埋め込まれていますよね。あのエアコンのことです。

このエアコンは天井カセットエアコンと言います。業者の人たちは天カセ(てんかせ)と省略して呼んだりしています。住宅でも天井にエアコンを埋め込むことができて、その場合にハウジングエアコンと呼びます。

住宅用と事務所用で電圧と室外機など仕様の違いがありますが、このように理解しておけばOKです。

ハウジングエアコン・天井カセットエアコン・天井ビルトインエアコンとは【天井に埋め込むエアコン】のこと。

パナソニックだけが「天井ビルトインエアコン」と呼んでいます。

ハウジングエアコン、天井カセットエアコン、住宅向け天井カセットエアコンそして天カセなど、各々のメーカーが様々な名前で呼んでいます。同じエアコンなのに様々な呼び名があって難しいし、すっきりしないですね。

天井に埋め込むエアコンの再定義

天井ビルトインエアコン  略称「天ビル(てんびる)」

天井に埋め込むエアコンを天井ビルトインエアコンと新しい言葉で再定義。シェア1位と巨額の広告宣伝費と広告宣伝のノウハウがあるパナソニックだからできる売り方ですね。

パナソニックの住宅設備部門では、キッチンも生産しています。今回のネーミングは住宅設備の部門が主体として動いているのではないかと推察しています。

ビルトインのキーワードはキッチンが影響を与えている(だろう)

キッチンの設備にはコンロと食洗機があります。キッチンに埋め込むと、ビルトインコンロとかビルトイン食洗機と呼びます。

住宅設備の業界では、何かに埋め込むことに【ビルトイン】のキーワードは親しみやすい。あっという間に浸透して、天井カセットエアコンが略称化して、こう呼ばれる日が近いはずです。

天ビル(てんびる)

パナソニックの他に天井に埋め込むエアコンを扱うメーカーは、三菱電機、日立、ダイキン、東芝、三菱重工。「天井ビルトインエアコン」のキーワードに切り替えるメーカーがどこか楽しみです。(心の中だけで予想はしています)

マルチエアコンとは?

マルチエアコンとは、1つの室外機に複数の室内機を設置することができるエアコンです。室内機はルームエアコンだけでなく、天井の埋め込み型、壁に埋め込み型、床置き型などが接続できます。

マルチエアコンのメリット

室外機をまとめるので、設置スペースを小さくできます。これはよく言われていることです。

振動と騒音によるストレス、近所とのトラブルを予防できます!

マルチエアコンの普及の背景には、室外機から発する振動と騒音対策があります。マルチエアコンでなければ設置した台数分の室外機があり、その数が増えるほど騒音が大きくなり、さらに共鳴する可能性が高くなります。

どうなるかというと、耳障りな低音の騒音だったり、住宅の壁やガラスがビリビリと振動します。室外機を1台にすることで、自らのストレス軽減だけでなく、室外機が原因の近所トラブルを予防できます。

マルチエアコンのデメリット

交換時期にエアコン一式の入れ替えが必要なので、高額の支出になることがあります。ですが、エアコン1台1台の値段を足し合わせた額と同じぐらいですが、数十万円以上ですね。

マルチエアコンの場合は、住宅の壁や天井に配管と電源ケーブルを埋め込むことがあります。これらの施工が下手だったり、修理と交換を想定していないと壁などを剥がすなど、大規模な工事が必要になります。

家電量販店用エアコンと住宅設備用エアコンの棲み分けが進む

エアコンシェア上位4社は住宅設備用エアコンのカテゴリーからルームエアコンの家電量販店用エアコンの裏モデルを統廃合するでしょう。

  • パナソニック
  • 三菱
  • 日立
  • ダイキン

ルームエアコンの流通台数の管理ができるようにするために

天候の影響で販売台数が増減するエアコンは、過剰在庫の投げ売りで価格が暴落することが恐怖。そのため、メーカー(流通商社)と家電量販店は需要と供給のバランスを保つため、予定と実績の差分を出して調整を繰り返しています。

これまでは家電量販店の流通台数だけ管理すれば需要と供給のバランスを保つことができました。が、ネット経由の新しい販路が登場により流通台数の予定と実績の乖離が発生。その上、一般消費者への流通を目的としていない住宅設備用エアコンがネット通販で大量流通。

家電量販店用エアコンと住宅設備用エアコンを別々に管理することが、需要と供給のバランスを崩して、しかも2つの流通ルートを管理することは実態とミスマッチだし非効率になってしまうのです。となると、家電量販店用エアコンと住宅設備用エアコンの統合を進めていくことは自然な流れですよね。

住宅設備用ルームエアコンが一般化したデメリットをチャンスにしているダイキン【戦略分析】

ダイキンは住宅設備用ルームエアコンをぴちょんくんのお店のエアコンとブランド構築。エアコンという商品は本体と取付工事の2つがそろって価値が成立しますよね。そこで、ダイキンの修理と取付を担うパートナー業者に対して販売の役割を強化しました。

リクルートのAirPay・楽天Payなどの決済ツールが普及にお金の授受が容易になり、ネットを経由して取付業者が主体となって消費者に販売ができます。住宅設備用エアコンが有名になったことで、ぴちょんくんのお店を販路に活用するとは。。。

無駄のないシンプルな戦略のダイキンによって、ぴちょんくんのお店の流通シェアが家電量販店を超える日が来るかもしれませんね。

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